症例紹介

膿皮症

皮膚科

今回は診察する頻度が多い皮膚病について述べたいと思います。

皮膚病を起こす原因は、簡単に分類すると①細菌・カビ(真菌)・寄生虫などの感染によるトラブル、②アレルギーによるトラブル、③ホルモンバランスによるトラブル、④その他の原因に分けられます。
上記の症状としては、一般的に『皮膚の赤み・かゆみ・脱毛』などが挙げられますが、その症状は共通しており、原因を特定するには皮膚検査をして調べる必要があります。

また、原因が一つだけではなく、複数の原因によって皮膚の状態が悪化していることも多いので注意が必要です。


最初は①細菌感染による細菌性皮膚炎(膿皮症)について書きます。この皮膚炎は、皮膚の免疫力が低下することによって皮膚表面に正常でもいるブドウ球菌などの細菌が原因で起きます。

梅雨や夏場の季節に多く発生します。また、シャンプー後に皮膚を十分に乾かせていない場合にもよく起きます。

治療としては、原因になっている細菌に効果のある抗生物質を内服します。軽度の場合には、抗菌作用のある薬用シャンプーで改善する場合もあります。


抗生物質を内服していても治らない場合には、原因の細菌に対して効果のある薬剤を調べるために薬剤感受性試験を実施します。

また、効果のある薬剤を使用しているにも関わらず、皮膚の赤み・かゆみが改善しない場合や、細菌性皮膚炎がすぐに繰り返して起きる場合には、アレルギーやホルモンバランスによるトラブルが同時に起きていないかを調べていきます。

真菌性皮膚炎(マラセチア)についてはこちら
寄生虫(ニキビダニ)感染による皮膚炎についてはこちら
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ホルモンバランス(甲状腺機能低下症)による皮膚病はこちら