症例紹介

【皮膚科】ノルバサンシャンプーで治らない犬の膿皮症治療|つくば市のうめぞの動物病院 NEW

皮膚科・耳科

茨城県つくば市・土浦市・牛久市・つくばみらい市・阿見町の皆様、こんにちは。
茨城県つくば市にあるうめぞの動物病院です。
今回は、なかなか治らない繰り返す膿皮症について、病気の症状や原因、治療法について解説していきます。
当院では、犬の膿皮症の治療を行っておりますので、お悩みの場合は一度ご相談ください。

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【症例】

Mダックス、6歳歳、避妊済みメス

【これまでの経過】

1年前の夏(5歳)から膿皮症の症状が始まったようです。
かかりつけの病院では、皮膚検査を実施して、膿皮症と診断して、ノルバサンシャンプーを処方されて、1週間に2回シャンプーをされていました。
しかし、薬用シャンプーを実施しても、症状が広がって、お腹以外にも背中やお尻も痒がるようになりました。
ノルバサンシャンプーを用いたシャンプー療法を継続していても、膿皮症の症状が続くためセカンドオピニオンで当院を受診されました。







【診断のポイント】

当院でも、痒がっているお腹や背中、お尻周りの皮膚検査を実施した結果、細菌が多数検出されました。
そのため、足先やお腹の皮膚炎膿皮症(細菌性皮膚炎)と診断しました。
『繰り返す膿皮症』の『根本的な原因』は細菌だけではありません
『繰り返す膿皮症』の『根本的な原因』は
①    アトピー
②    食物アレルギー
③    ホルモンバランスの崩れ(甲状腺機能低下症など)
④    抗生物質の長期使用による耐性菌

などが挙げられます。

今回のように膿皮症(細菌性皮膚炎)を繰り返し起こしている場合で、抗菌作用のある薬用シャンプーを用いた治療を実施しても完治しない場合には、
膿皮症(細菌性皮膚炎)の『根本的な原因』を見つけて、その『根本的な原因』も治療する必要があります。

膿皮症は、お腹以外に、背中やお尻周りの皮膚にも出ていました。
また、右耳も炎症が起きていて外耳炎になっていました。
フィラリア、ノミ、マダニも駆虫できるオールインワンの予防薬も毎月投薬されていて(寄生虫の駆虫)、ノルバサンシャンプーを用いて細菌のコントロールもされていても、膿皮症の症状が改善しないため、アレルギー性皮膚炎を疑いました。
アトピー性皮膚炎も、食物アレルギーもお腹や耳など症状が共通している部分が多いので、鑑別することが難しいことがあります。
しかし、食物アレルギーの場合には、背中やお尻周りにかゆみ、炎症が起きることが多いですが、アトピー性皮膚炎では、背中やお尻周りにはかゆみを引き起こさないので、鑑別することが可能になります。
このワンちゃんは、お腹や右耳以外に、背中やお尻周りにもかゆみ、皮膚炎が起きていたため、食物アレルギーの関与を疑いました
5歳の夏から皮膚炎が起きているため、甲状腺機能低下症の検査はまだ、実施しませんでした。
食物アレルギー用の血液検査を実施結果、『食物アレルギー』だと判明しました。

【治療】

基礎疾患である「食物アレルギー」に対しては、血液検査でわかったアレルギー食を用いた食事療法を実施しました。
除去食試験を短期間で済ますため、かゆみ止めとしてアポキルも与えて頂きました。
膿皮症(細菌性皮膚炎)に対しては、抗菌作用のある薬用シャンプーを用いました。







今回の繰り返す膿皮症のワンちゃんは、かかりつけの病院で膿皮症と診断されて、ノルバサンシャンプーを処方されました。
しかし、シャンプー療法のみを実施していても、お腹や背中の膿皮症を繰り返すことが続くため、セカンドオピニオンで当院を受診されました。


当院では、抗菌作用のある薬用シャンプーを用いても、症状が改善しないことや、お腹や外耳炎以外に『背中や、お尻周り』も痒がることから、食物アレルギーを疑って、食物アレルギー用の血液検査を実施しました。血液検査を実施した結果、『食物アレルギー』だと判明しました。

基礎疾患である「食物アレルギー」に対しては、食物アレルギーの検査で判明した、療法食(アレルギー食)を使用しました。
また、除去食試験の期間を短縮するために、アポキルを用いて症状を落ち着かせました。




『繰り返す膿皮症』の『根本的な原因』は
①    アトピー
②    食物アレルギー
③    ホルモンバランスの崩れ(甲状腺機能低下症など)
④    抗生物質の長期使用による耐性菌

そのため、『繰り返す膿皮症』の『根本的な原因』をしっかりつきとめる必要があります。
食物アレルギー用の血液検査は、検査費用も高く(当院では約4万円かかります)、食物アレルギーの血液検査の必要性には賛否両論あります。
しかし、食物アレルギーの血液検査を実施した結果、最適なアレルギー食を選択できることで、皮膚や耳の症状がとても良くなることも多いです。
食物アレルギーの検査を実施して、最適なアレルギー食を用いて1カ月~1カ月半ほど除去食試験を行って、食物アレルギーによる痒みを除外した後に、アトピー性皮膚炎の治療を実施しております。


同じように繰り返す膿皮症(細菌性皮膚炎)や、外耳炎で悩まれている飼い主様は、一度当院までお問合せください。


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