【皮膚科】犬のマラセチア性皮膚炎治療|つくば市のうめぞの動物病院 NEW
茨城県つくば市・土浦市・牛久市・つくばみらい市・阿見町の皆様、こんにちは。
茨城県つくば市にあるうめぞの動物病院です。
今回は、なかなか治らない繰り返すマラセチア性皮膚炎や外耳炎について、病気の症状や原因、治療法について解説していきます。
当院では、犬のマラセチア性皮膚炎や外耳炎の治療を行っておりますので、お悩みの場合は一度ご相談ください。
【症例】
トイプードル、11歳、去勢オス
【これまでの経過】
元々、春や秋などの季節の変わり目に体をかゆがる症状があったようです。
その際には、痒み止めの内服、外用薬を用いての対症療法で改善していたとのことです。
しかし、1年ほど前から、1年中全身の皮膚炎や外耳炎が起きていたようです。
かかりつけの動物病院での皮膚検査で、マラセチアが検出されてマラセチア性皮膚炎と診断されていました。
マラセチア性皮膚炎に対しては、抗真菌作用のある薬用シャンプーが処方されていました。
また、痒み止めの注射(サイトポイント)や、痒み止めの外用薬も併用していましたが、マラセチア性皮膚炎が改善されないため当院にセカンドオピニオンで来院されました。
【診断のポイント】
当院でも皮膚検査を実施した結果、マラセチアが多数検出されました。
そのため、マラセチア性皮膚炎と診断しました。
『繰り返すマラセチア性皮膚炎』の『根本的な原因』はマラセチアだけではありません。
『繰り返すマラセチア性皮膚炎』の『根本的な原因』は
① アトピー
② 食物アレルギー
③ 脂漏症
④ ホルモンバランスの崩れ(甲状腺機能低下症など)
などが挙げられます。
そのため、今回のようにマラセチア性皮膚炎を繰り返し起こしている場合には、マラセチアに対しての抗真菌剤や、抗真菌作用のある薬用シャンプーを用いた治療だけを行うのではなく、マラセチア性皮膚炎の『根本的な原因』を見つけて、その『根本的な原因』も治療する必要があります。
はじめは、季節の変り目に皮膚炎や外耳炎を繰り返していて、痒み止めの内服や、一般的な外耳炎の外用薬を使用すると、皮膚炎や外耳炎は改善して、季節が変わると皮膚や耳の症状は落ち着いていたようです。
そのため、季節の変わり目に発生していた皮膚炎や、外耳炎は「アトピー性皮膚炎」や「アトピー性外耳炎」が考えられました。今回は、今まで使用していた痒み止め以外にも、アトピー性皮膚炎で使用する痒み止めの注射(サイトポイント)を使用しても、全身のマラセチア性皮膚や外耳炎が改善せず、発赤や赤みが続いていました。
「アトピー」以外の『マラセチア性皮膚炎の根本的な原因』を調べました。
1年中痒みがあるため、食物アレルギー用の血液検査を実施しました。
また、10歳になってからマラセチア性皮膚炎の症状が顕著になっているため、甲状腺機能低下症などのホルモンバランスが関与していないか調べるため、甲状腺ホルモンを検査しました。
その結果、『甲状腺機能低下症』であることがわかりました。
【治療】
基礎疾患である「甲状腺機能低下症」に対しては甲状腺ホルモンを補充する内科療法を開始しました。
また、「アトピー性皮膚炎」、「アトピー性外耳炎」に対しては、痒み止めの内服薬を使用しました。
また、食物有害反応も起こしている可能性を考慮して、食物アレルギー検査の結果に基づいて、食物アレルギー用のフードを与えて頂きました。
マラセチア性皮膚炎に対しては、抗真菌作用のある薬用シャンプー(メディダーム)を使用しました。
1か月半後には、マラセチア性皮膚炎の症状は少しづつ良化して、痒みも軽減して、目や口の周りや、足先の毛も生えてきました。
今回のマラセチア性皮膚炎のワンちゃんは元々、季節の変り目に皮膚炎や、外耳炎を起こしていました。その際には、痒み止めの内服や、外用薬を用いることで一旦は症状は改善していました。
しかし、1年前より1年中マラセチア性皮膚炎や外耳炎が続いていて、マラセチア性皮膚炎用の薬用シャンプーを使用したり、アトピー用の痒み止めの注射(サイトポイント)を使用しても症状が改善していませんでした。
10歳になってからマラセチア性皮膚炎の症状が強くなっているため、甲状腺ホルモンを検査した結果「甲状腺機能低下症」が起きていることがわかりました。
「甲状腺機能低下症」に対しては、甲状腺ホルモンを補充する内科療法を開始しました。
また、皮膚炎が落ち着くまで、マラセチア性皮膚炎に対して、抗真菌作用のある薬用シャンプー(メディダーム)を使用しました。
アトピー性皮膚炎に対しては、皮膚の肥厚(苔癬化)が改善するまでは短期間ステロイドの内服を服用して、皮膚の肥厚(苔癬化)が改善してからは、アトピー性皮膚炎に対する注射(サイトポイント)を使用しました。
今回のワンちゃんのように、はじめはアトピーが原因で、季節の変わり目に皮膚炎や外耳炎を起こしていて、その際に一時的に痒み止めの内服や、外耳炎に対する外用薬(点耳薬)を用いて治療すると良化するワンちゃんは多いです。
その後、今までのように痒み止めの内服や外用薬(点耳薬)を用いて治療していても、マラセチア性皮膚炎や外耳炎を繰り返す場合には、『繰り返すマラセチア性皮膚炎』の『根本的な原因』を見つける必要があります。
『繰り返すマラセチア性皮膚炎』の『根本的な原因』が、アトピー、食物アレルギー、脂漏症、ホルモンバランスの崩れ(甲状腺機能低下症)の場合には、その原因も治療することが大切です。
同じようにマラセチア性皮膚炎や、外耳炎で悩まれている飼い主様は、一度当院までお問合せください。