症例紹介

【皮膚科】犬のマラセチア性皮膚炎治療|つくば市のうめぞの動物病院

皮膚科・耳科

茨城県つくば市・土浦市・牛久市・つくばみらい市・阿見町の皆様、こんにちは。
茨城県つくば市にあるうめぞの動物病院です。
今回は、なかなか治らない繰り返すマラセチア性皮膚炎や外耳炎 について、病気の症状や原因、治療法について解説していきます。
当院では、犬のマラセチア性皮膚炎外耳炎の治療を行っておりますので、お悩みの場合は一度ご相談ください。

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【症例】

シーズー、9歳、去勢オス

【これまでの経過】

5歳の夏から、腹部などに皮膚の赤み、べたつきが出てきて、体をかゆがる症状があったようです。
4年前から、かかりつけの動物病院で、かゆみ止めの内服薬としてアポキルと、薬用シャンプーを使って洗っていたようです。
かかりつけの動物病院でも、皮膚検査を実施して、マラセチアが検出されていました。
アトピー性皮膚炎による、マラセチア性皮膚炎として診断して、アポキルを内服したり、処方された薬用シャンプーを使ってシャンプーを実施しても、症状が改善しないため、
当院にセカンドオピニオンで来院されました。




【診断のポイント】

当院でも皮膚検査を実施した結果、マラセチアが多数検出されました。
そのため、マラセチア性皮膚炎と診断しました。
『繰り返すマラセチア性皮膚炎』の『根本的な原因』はマラセチアだけではありません。
『繰り返すマラセチア性皮膚炎』の『根本的な原因』は
①    アトピー
②    食物アレルギー
③    脂漏症
④    ホルモンバランスの崩れ(甲状腺機能低下症など)


などが挙げられます。
そのため、今回のようにマラセチア性皮膚炎を繰り返し起こしている場合には、マラセチアに対しての抗真菌剤や、抗真菌作用のある薬用シャンプーを用いた治療だけを行うのではなく、マラセチア性皮膚炎『根本的な原因』を見つけて、その『根本的な原因』も治療する必要があります。

はじめは、季節の変り目に皮膚炎や外耳炎を繰り返していて、痒み止めの内服や、一般的な外耳炎の外用薬を使用すると、皮膚炎や外耳炎は改善して、季節が変わると皮膚や耳の症状は落ち着いていたようです。
そのため、季節の変わり目に発生していた皮膚炎や、外耳炎は「アトピー性皮膚炎」や「アトピー性外耳炎」が考えられました。
しかし、当院に来院される頃には、「アトピー性皮膚炎」の治療薬であるアポキルを内服していても、マラセチア性皮膚炎はコントロールできずに、皮膚の赤みやべたつきがありました。

シーズーは、脂漏症も多い犬種のため、脂漏症が原因ではないかとも考えました。
しかし、食物アレルギーを除外していないため、食物アレルギー用の血液検査を実施しました。
当院にセカンドオピニオンで来院される当日まで、アポキルを内服していたため、3週間休薬してから食物アレルギー用の血液検査を実施しました。
その結果、「食物アレルギー」であることが判明しました。
また、当院にいらした現在は、9歳ですが、5歳から症状が続いていることから、「甲状腺機能低下症」の検査は今回は実施しませんでした。

【治療】

基礎疾患である「食物アレルギー」に対しては、血液検査でわかったアレルギー食を用いた食事療法を実施しました。
除去食試験を短期間で済ますため、かゆみ止めとしてアポキルも与えて頂きました。
また、マラセチア性皮膚炎に対しては、マラセチア性皮膚炎に対する薬用シャンプーを用いました。




今回のマラセチア性皮膚炎のワンちゃんは元々、季節の変り目に皮膚炎や、外耳炎を起こしていました。その際には、痒み止めの内服や、外用薬を用いることで一旦は症状は改善していました。
しかし、5歳の夏以降は、アトピー性皮膚炎に対するアポキルを内服したり、薬用シャンプーを用いても1年中体が赤く、べたつきが続いている状態でした。
当院に初めて来院された時は、9歳でしたが、5歳から続いている症状のため、「甲状腺機能低下症」は関与していないのではないかと考え、甲状腺ホルモンは検査しませんでした。



基礎疾患である「食物アレルギー」に対しては、食物アレルギーの検査で判明した、療法食(アレルギー食)を使用しました。
また、元々あった「アトピー性皮膚炎」に対しては、アポキルを用いて症状を落ち着かせて、その後はサイトポイントやステロイドの外用薬を用いてプロアクティブ療法を実施しています。
また、皮膚炎が落ち着くまで、マラセチア性皮膚炎に対して、抗真菌作用のある薬用シャンプー(メディダーム)を使用しました。


今回のワンちゃんのように、はじめはアトピーが原因で、季節の変わり目に皮膚炎や外耳炎を起こしていて、その際に一時的に痒み止めの内服や、外耳炎に対する外用薬(点耳薬)を用いて治療すると良化するワンちゃんは多いです。
その後、今までのように痒み止めの内服や外用薬(点耳薬)を用いて治療していても、マラセチア性皮膚炎や外耳炎を繰り返す場合には、『繰り返すマラセチア性皮膚炎』の『根本的な原因』を見つける必要があります。
『繰り返すマラセチア性皮膚炎』の『根本的な原因』が、アトピー、食物アレルギー、脂漏症、ホルモンバランスの崩れ(甲状腺機能低下症)の場合には、その原因も治療することが大切です。


同じようにマラセチア性皮膚炎や、外耳炎で悩まれている飼い主様は、一度当院までお問合せください。


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