【皮膚科】犬の膿皮症治療|つくば市のうめぞの動物病院
茨城県つくば市・土浦市・牛久市・つくばみらい市・阿見町の皆様、こんにちは。
茨城県つくば市にあるうめぞの動物病院です。
今回は、なかなか治らない繰り返す膿皮症について、病気の症状や原因、治療法について解説していきます。
当院では、犬の膿皮症の治療を行っておりますので、お悩みの場合は一度ご相談ください。
【症例】
ポメラニアン、9歳、去勢済みオス
【これまでの経過】
まず、3年前から、背中の毛が薄くなってきていたようです。その時は、まだ去勢手術を実施していなかったので、かかりつけの動物病院で去勢手術を実施しましたが、毛はしっかり発毛してこなかったようです。
また、半年前から特に背中を中心に発赤が出てきたようです。
かかりつけの動物病院で、膿皮症と診断して、抗生剤の内服や薬用シャンプーを処方されていたようです。
しかし、膿皮症が改善されないため、当院にセカンドオピニオンでご来院されました。
【診断のポイント】
当院で皮膚検査の結果、皮膚病変部に細菌が検出されました。
そのため、膿皮症(細菌性皮膚炎)と診断しました。
『繰り返す膿皮症』の『根本的な原因』は細菌だけではありません。
『繰り返す膿皮症』の『根本的な原因』は
① アトピー
② 食物アレルギー
③ ホルモンバランスの崩れ(甲状腺機能低下症など)
④ 抗生物質の長期使用による耐性菌
などが挙げられます。
そのため、今回のように膿皮症(細菌性皮膚炎)を繰り返し起こしている場合には、抗菌作用のある薬用シャンプーを用いた治療を実施しても完治しない場合には、
膿皮症(細菌性皮膚炎)の『根本的な原因』を見つけて、その『根本的な原因』も治療する必要があります。
かかりつけの動物病院では、抗生剤の内服薬以外に、薬用シャンプーも使用していました。
また、被毛も薄くなっていることから、甲状腺ホルモンの検査を実施しました。
皮膚科検査の結果、背中からは細菌が検出されました(膿皮症)。
繰り返す膿皮症(細菌性皮膚炎)の根本的な原因を特定するために検査をしました。
甲状腺ホルモンを測定した結果、甲状腺機能低下症であることがわかりました。
【治療】
全身の膿皮症(細菌性)に対しては、抗菌の薬用シャンプーを用いました。
また、基礎疾患である甲状腺機能低下症の治療として、ホルモンの補充を内服薬で実施しました。
治療開始してから2か月後の写真がこちらです。
2か月後には、膿皮症も良化して、発赤も消失しました。
また、被毛が薄かった背中の部分にも、色の濃いしっかりとした毛が生えてきました。
かかりつけの動物病院では、抗生剤の内服以外にも、薬用シャンプーを用いて治療を実施していました。
しかし、膿皮症の『根本的な原因』は甲状腺機能低下症であったため、膿皮症を繰り返していたと考えられました。
頻繁に背中の膿皮症の出ている皮膚を抗菌作用のある薬用シャンプーを用いてシャンプー療法をして頂いていましたが、膿皮症の根本的な原因である甲状腺機能低下症のコントロールができてからは、月に1~2回のシャンプー療法でも皮膚は良い状態を維持できています。また、背部の両サイドの毛が薄かった部分もどんどん色の濃いしっかりとした毛が生えてきています。
『繰り返す膿皮症』の『根本的な原因』は
① アトピー
② 食物アレルギー
③ ホルモンバランスの崩れ(甲状腺機能低下症など)
④ 抗生物質の長期使用による耐性菌
そのため、膿皮症を繰り返している場合には、抗生剤の内服を漫然と繰り返すと、抗生剤が効かない耐性菌を作り出してしまうだけです。
そのため、『繰り返す膿皮症』の『根本的な原因』をしっかりつきとめる必要があります。
同じように膿皮症などの皮膚病で悩まれている飼い主様は、一度当院までお問合せください。