【皮膚科】サイトポイントを使用した犬のアトピー性皮膚炎治療|つくば市のうめぞの動物病院 NEW
茨城県つくば市・土浦市・牛久市・つくばみらい市・阿見町の皆様、こんにちは。
茨城県つくば市にあるうめぞの動物病院です。
今回は、なかなか治らない繰り返すアトピー性皮膚炎について、病気の症状や原因、治療法について解説していきます。
当院では、犬のアトピー性皮膚炎の治療を行っておりますので、お悩みの場合は一度ご相談ください。
『アトピー性皮膚炎』の診断は除外診断となります。
当院では、アトピー性皮膚炎の診断は下記の方法で実施しています。
『アトピー性皮膚炎』の『除外診断方法』は
① 外部寄生虫(ノミ、疥癬、毛包虫)の除外
② 細菌(ブドウ球菌)、マラセチアの除外
③ 食物アレルギーの除外
④ アトピー性皮膚炎の診断
となります。
『アトピー性皮膚炎』の『代表的な薬』は
① 抗体医薬 (サイトポイント➡注射薬)
② JAK阻害薬 (JAK1選択阻害薬➡アポキル、非選択的JAK阻害薬➡ゼンレリア)
③ ステロイド
④ その他
などが挙げられます。
【抗体医薬 (サイトポイント) 】
サイトポイントは、月1回程度の皮下注射でかゆみを抑える抗体医薬です。
IL-31というかゆみ物質(サイトカイン)を抗体で中和し、1回でおよそ1カ月かゆみを軽減します。
かゆみ物質(IL-31;サイトカイン)を抑えますが、皮膚の赤みや炎症をひかす効果はないので、当院ではアポキルJAK阻害薬(JAK1選択阻害薬)などを用いて、皮膚の赤みや炎症をひかせてから、かゆみ物質(IL-31)を抑えるサイトポイントを用いてのアトピー性皮膚炎の維持治療をおすすめしています。
サイトポイントはかゆみ物質(IL-31)を抑えるだけなので、免疫を抑制する副作用がないからです。
IL-31(かゆみ物質)の受容体(くっつく所)に対する抗体医薬が人のアトピー性皮膚炎で使用されています。
【JAK阻害薬】
JAKは、サイトカイン(様々の生体内の信号物質)がくっつく受容体にある酵素です。
免疫反応、炎症、造血などの生体機能に関与しています。
JAKには、JAK1、JAK2、JAK3,TYK2があります。
その中で、JAK1がアトピー性皮膚炎の発症に重要な役割を果たす炎症性サイトカイン(生体内の信号物質)の発現に中心的な役割を果たしています。
一方、JAK2は造血などの生体機能に関与しています。
人のアトピー性皮膚炎に対してもJAK阻害薬が使用されていますが、造血に関与するJAK2はあまり阻害せず、アトピー性皮膚炎の炎症サイトカイン(生体内の信号物質)に関係するJAK1を選択的に阻害する薬が開発されています。
10年ほど前から日本でも犬に使用されているアポキルは、アトピー性皮膚炎の炎症サイトカインに関係するJAK1を選択的に阻害するJAK阻害薬です。
一方、近年日本でも使用されてきているゼンレリアは、非選択的JAK阻害薬です。そのため、JAK1も阻害しますが、造血に関与するJAK2も阻害するため、白血球が低下したり、血小板が低下する副作用が出ることもあります。
また、日本より先に発売されていたアメリカでは、FDAが、「ゼンレリア投与中の犬へのワクチン接種は安全性が確立されていない」と出していて、ワクチンの抗体価が上がりにくくなる可能性が指摘されています。日本発売の際には、その説明はなされていないですが、ゼンレリアを使用している場合には、ワクチン接種の少なくても28日前から休薬するかどうか今後検討が必要だと思われます。
ゼンレリアは非選択的JAK阻害薬のため、アトピー性皮膚炎の発症に重要な役割を果たす炎症性サイトカイン(生体内の信号物質)に関係するJAK1だけでなく、TK2も阻害するためか、アポキルだけでは十分に抑えられない重度のアトピー性皮膚炎にも効果があると言われています。
そのため、当院では、アポキルやサイトポイントを使用して(場合によっては、ステロイド)もコントロールが出来ないアトピー性皮膚炎の場合には、最後に非選択的JAK阻害薬であるゼンレリアの使用を検討する予定です。
ただ、ゼンレリアを使用した場合には、1週間後に血液検査を実施して、白血球の減少などを認めた場合には、薬用量を減らすなどを検討する予定です。
ゼンレリアの抗炎症効果が強いため【皮膚のかゆみや、赤みには良く効きます】が、ゼンレリアはアポキルの後発品だと思っているのか、ゼンレリアを最初から使用していることをセカンドオピニオンでたまに見かけます。
しかし、
アポキルはJAK1を選択的に阻害するJAK阻害薬なのに対して、
ゼンレリアは非選択的JAK阻害薬なので、アトピー性皮膚炎の発症に重要な役割を果たすJAK1だけでなく、造血に関与するJAK2も阻害するので、そこはよく注意して使用する必要があると思います。
当院では、アトピー性皮膚炎に対しては、副作用の少ない抗体医薬(サイトポイント)を用いて、体質改善として、腸活を実施することを推奨しております。