【皮膚科】柴犬のアトピー性皮膚炎治療|つくば市のうめぞの動物病院 NEW
茨城県つくば市・土浦市・牛久市・つくばみらい市・阿見町の皆様、こんにちは。
茨城県つくば市にあるうめぞの動物病院です。
今回は、なかなか治らない繰り返すアトピー性皮膚炎について、病気の症状や原因、治療法について解説していきます。
当院では、犬のアトピー性皮膚炎の治療を行っておりますので、お悩みの場合は一度ご相談ください。
【症例】
柴、11カ月、避妊メス
【これまでの経過】
現在11カ月の柴犬ちゃんです。7ヶ月齢に首回りなどに、湿疹ができた所、アトピー性皮膚炎を疑ったのか、かかりつけの動物病院で抗生剤とステロイドの内服薬を処方されました。かかりつけの動物病院で処方された抗生剤とステロイドを内服しても、首回りの膿皮症(湿疹)が悪化するために、セカンドオピニオンで当院を受診されました。
柴犬ちゃんは、アトピー性皮膚炎になりやすい犬種ですが、かゆみを伴う皮膚炎が始まったのが7ヶ月齢とアトピー性皮膚炎の発症には年齢が若いことや、首や背中にも広がっていることから、典型的なアトピー性皮膚炎ではないと診断しました。
そのため、膿皮症の治療として、抗菌作用のある薬用シャンプーと、1歳未満でも使用できる痒み止めの注射を使用しました。
その結果、首まわりや背中に広がっていた膿皮症は改善しました。
しかし、首回りや背中に広がっていた膿皮症は改善しましたが、口回りが赤く、後肢のかかとの部分の皮膚の赤みが残りました。
1歳未満から繰り返す、皮膚の赤みに対して、食物アレルギーが原因ではないかと考えられるため食物アレルギー検査を実施しました。
【診断のポイント】
『繰り返す皮膚炎』の『根本的な原因』は細菌や、マラセチアではありません。
このような『繰り返す皮膚炎』の『根本的な原因』は
① アトピー
② 食物アレルギー
③ ホルモンバランスの崩れ(甲状腺機能低下症など)
④ 脂漏症
などが挙げられます。
元々、首回りや背中に膿皮症が起きていて、その部分は抗菌作用のある薬用シャンプーで治療して、膿皮症は良化しました。
しかし、口回りや、かかとの部分は薬用シャンプーを用いても皮膚の赤みが改善しませんでした。
今回のように皮膚炎を繰り返し起こしている場合には、細菌や、マラセチアに対しての薬用シャンプーを用いた治療を実施しても、皮膚炎が完全には改善しないことがあります。
このような場合、細菌やマラセチアに対しての治療だけではなく、皮膚炎の『根本的な原因』を見つけて、その『根本的な原因』も治療する必要があります。
抗菌作用のあるシャンプーを用いた治療を実施しても、皮膚炎の症状が続くことから食物アレルギーやアトピー性皮膚炎が原因であることが考えられました。
しかし、アトピー性皮膚炎は、季節性があり、2歳~3歳での発症が多いのに対して、食物アレルギーは季節に関係なく発症したり、1歳未満でも発症します。
この柴犬ちゃんは、1歳未満で痒みの症状が強いことから、食物アレルギーを疑いました。
しかし、当院を受診される前に、首まわりのかゆみ(膿皮症)に対して、抗生剤と一緒にステロイドが処方されていました。
食物アレルギーの血液検査は、アポキルやステロイドなどの痒み止めを3週間は休薬してから検査をする必要があるため、ステロイドを休薬して、1歳未満でも使用できる痒み止めの注射を使用しました。
ステロイドの内服を3週間休薬した後に、食物アレルギー用の血液検査を行って、「食物アレルギー」であることが判明しました。
【治療】
基礎疾患である「食物アレルギー」に対してはアレルギー食を使用しました。
また、年齢が1歳になってからは皮膚炎の痒みを軽減させる内服も併用しました。
その結果、1カ月半後には、口回りや足の皮膚炎の症状は改善しました。
今回のワンちゃんは元々、首回りや背中の膿皮症があって、かかりつけの動物病院で抗生剤やステロイドを内服しても症状が改善しないため、セカンドオピニオンで当院を受診されました。首回りや背中に広がっていた膿皮症は、抗菌作用のある薬用シャンプーを用いた結果症状が改善しました。
しかし、口回りやかかとの皮膚の赤みが残るため、食物アレルギーやアトピー性皮膚炎が原因であることが考えられました。
アトピー性皮膚炎が2~3歳で発症することが多いのに対して、食物アレルギーは1歳未満で発症したりします。
この柴犬ちゃんは、1歳未満で皮膚のかゆみが出ていることから、その皮膚炎の原因は食物アレルギーではないかと疑い食物アレルギー検査を実施した結果、食物アレルギーであることが判明しまいた。
今回のワンちゃんのように、柴犬はアトピー性皮膚炎になっていることが多いですが、食物アレルギーも併発していることが多いように感じられます。
食物アレルギーは、1歳未満で発症したり、1年中かゆみが出ていることが特徴となります。
アレルギーを疑う場合には、何歳からかゆみが出ていて(1歳未満からなのか、2~3歳からなのか)、季節性があるのか、それとも1年中かゆみが出ているのかを確認することがとても重要です。
『繰り返す皮膚炎』や『繰り返す外耳炎』の『根本的な原因』を見つける必要があります。
『繰り返す皮膚炎』や『繰り返す外耳炎』の『根本的な原因』が、アトピー、食物アレルギー、ホルモンバランスの崩れ(甲状腺機能低下症)や、(外耳炎では耳ダニ、腫瘍などの異物)の場合には、その原因を治療する必要があります。
同じように皮膚炎や外耳炎で悩まれている飼い主様は、一度当院までお問合せください。