【耳科】ウェルメイトで治らない犬のマラセチア性外耳炎治療|つくば市のうめぞの動物病院 NEW
茨城県つくば市・土浦市・牛久市・つくばみらい市・阿見町の皆様、こんにちは。
茨城県つくば市にあるうめぞの動物病院です。
今回は、なかなか治らない繰り返す外耳炎について、病気の症状や原因、治療法について解説していきます。
当院では、犬の外耳炎の治療を行っておりますので、お悩みの場合は一度ご相談ください。
【症例】
シーズー、5歳、去勢オス
【これまでの経過】
4歳の春から外耳炎になってかかりつけの動物病院で外耳炎の治療をされていたようです。
耳垢の検査をした結果、マラセチアが検出されたことから「マラセチア性外耳炎」と診断されてウェルメイト(点耳薬)を処方されていました。はじめは、ウェルメイトを点耳すると症状が少し改善したように感じたものの、特にここ半年はウェルメイトを点耳しても症状が改善していないようでした。
かかりつけの動物病院を再度受診されたものの、お耳を洗浄した後、違う点耳薬を処方されるだけで、症状が改善しないためセカンドオピニオンで当院を受診されました。
【診断のポイント】
外耳炎を繰り返し起こしているお耳にを当院でも再検査した結果、細菌やマラセチアというカビが検出されました。
ここで、かかりつけの動物病院では『マラセチア性外耳炎』と診断されて点耳薬が処方されていました。
しかし、細菌やマラセチアは『外耳炎を悪化させる要因』の一つですが、『外耳炎の根本的は原因』ではありません。
『繰り返す外耳炎』の『根本的な原因』は
① アトピー
② 食物アレルギー
③ 耳ダニ
④ ホルモンバランスの崩れ(甲状腺機能低下症など)
⑤ 腫瘍などの異物
などが挙げられます。
そのため、今回のように外耳炎を繰り返し起こしている場合には、細菌や、マラセチアに対しての抗生剤や、抗真菌剤を用いた治療だけを行うのではなく、外耳炎の『根本的な原因』を見つけて、その『根本的な原因』も治療する必要があります。
当院では、「マラセチア性外耳炎」という診断は実際は行っていません。
4歳の春に外耳炎が起き始めました。その際には、ステロイドを含むウェルメイトを点耳すると一旦は症状が改善したようです。そのため、季節の変わり目に発生する外耳炎であるは「アトピー性外耳炎」が考えられました。
しかし、ここ半年はウェルメイトを点耳しても症状が改善していませんでした。
また、当院で「アトピー性外耳炎」に使用している点耳薬を使用しても、外耳炎の症状(発赤)は良化しませんでした。
そのため、『外耳炎の根本的な原因』を調べました。
耳垢検査の結果、③耳ダニは検出されませんでした。
4歳に症状が出ていることから、
① アトピー
② 食物アレルギー
が原因と考えられました。
ステロイドを含有するウェルメイトを点耳しても症状が改善しないことから、
② 食物アレルギー
を疑いました。
食物アレルギー用の血液検査を行って、「食物アレルギー」であることがわかりました。
【治療】
外耳炎の『根本的な原因』である「食物アレルギー」に対しては食物アレルギーの血液検査で調べて判明して適切なアレルギー食を使用しました。
2か月後には、外耳炎の症状は改善しました。
今回の外耳炎のワンちゃんは、4歳の季節の変り目(春)に外耳炎を起こし始めました。
検査の結果、マラセチアが検出されて、「マラセチア性外耳炎」と診断されて、ウェルメイトを点耳して、症状が改善しました。当院では、本当は「アトピー性外耳炎」だったのだろうと解釈しています。
ここ半年は、ウェルメイトを点耳しても症状が改善しないため、当院で食物アレルギーの検査を実施して「食物アレルギー」と診断しました。
そのため、今回の外耳炎は「食物アレルギー性外耳炎」と診断しました。
「食物アレルギー」に対する食事療法で一旦は症状は改善しました。
今後、季節の変わり目(春や秋など)になって、「アトピー性の外耳炎」が併発してこないか注意していきます。
今回のワンちゃんは、季節の変わり目(春)に外耳炎を起こし始めたため、『アトピー性外耳炎』が原因と考えられました。
しかし、半年ほどすると外耳炎に対するウェルメイト (点耳薬)を用いても、耳の炎症(赤み)が良化しませんでした。
そのため、細菌やマラセチア以外の『繰り返す外耳炎』の『根本的な原因』を見つける必要があり、食物アレルギーの血液検査を実施した結果、『食物アレルギー性外耳炎』であることがわかりました。
『繰り返す外耳炎』の『根本的な原因』が、アトピー、食物アレルギー、耳ダニ、ホルモンバランスの崩れ(甲状腺機能低下症)、腫瘍などの異物の場合には、その原因を治療することが大切です。
同じように外耳炎や皮膚病で悩まれている飼い主様は、一度当院までお問合せください。