犬の避妊手術は必要?タイミングや予防できる病気について獣医師が解説|茨城県つくば市のうめぞの動物病院
茨城県つくば市・土浦市・牛久市・つくばみらい市・阿見町の皆様、こんにちは。
茨城県つくば市にあるうめぞの動物病院です。
今回は、犬の避妊手術について、タイミングやメリット、デメリット、予防できる病気を解説していきます。
当院では、犬の避妊手術の治療を行っておりますので、お考えの場合は一度ご相談ください。
犬の避妊手術とは
犬の避妊手術は、病気の予防で卵巣と子宮、もしくは卵巣を摘出する手術です。
避妊手術を受けるタイミング
犬の場合、初めての発情の前に避妊手術を行うことで、乳腺腫瘍を99.5%予防することができます。
そのため、当院では生後6ヶ月〜6ヶ月半の月齢での手術をおすすめしています。
避妊手術を受けるメリット
①乳腺腫瘍を予防できること
乳腺腫瘍は、胸からお腹にかけて広がる乳腺に発生する腫瘍で、メスの犬・猫ともによく遭遇する病気です。
この腫瘍は若いころに避妊手術を受けることで予防できるとされており、早期発見・早期治療と同じくらい予防が重要です。
乳腺腫瘍は未避妊の場合、年を経るにつれて発症リスクが高くなることが分かっています。
そのため、最も有効な予防法は避妊手術です。下記のように、犬の場合は初回発情前、
猫の場合は6ヶ月齢までに避妊手術を行うことで、乳腺腫瘍の発生率を大幅に抑えられることが分かっています。
そのため、当院では犬は生後6ヶ月〜6ヶ月半、猫では生後6ヶ月までに避妊手術を実施することを推奨しております。
〈犬の場合〉
・初回発情前:0.5%
・2回目の発情前:8%
・3回目以降:26%
〈猫の場合〉
・6ヶ月齢以前:9%
・7~12ヶ月齢:14%
・13~24ヶ月齢:89%
②子宮蓄膿症を予防できること
犬の子宮蓄膿症は、子宮内に膿が溜まる病気です。通常、子宮内の細菌 感染が原因で起こります。
この病気は、5,6歳以上の避妊手術をしていないメス犬に見られます。しかし、もっと若い年齢でなることもあります。
子宮蓄膿症の症状には、元気や食欲の低下、嘔吐、水を多く飲み、尿を多くする(多飲多尿)、お腹がはっている、陰部からの排膿などが含まれます。
子宮蓄膿症は重篤な病気であり、治療は早急に行われる必要があります。症状が進行すると、多臓器不全で亡くなることもあります。
手術で卵巣、子宮摘出を実施することで治療を行います。
予防としては、避妊手術を実施することになります。
そのため、当院では犬は生後6ヶ月〜6ヶ月半、猫では生後6ヶ月までに避妊手術を実施することを推奨しております。
③その他の生殖器系の病気を予防できること
避妊手術を受けるデメリット
①全身麻酔をかける必要があること
②ホルモンバランスが崩れて太りやすくなること
避妊手術で予防できる病気
①乳腺腫瘍
②子宮蓄膿症
③その他の生殖器系の疾患
避妊手術を受ける流れ
受付・問診
避妊・去勢手術は予約制となりますので、お電話にてご予約をお取りください。
また、当院を受診されたことのない方は、事前にご受診いただき診察をさせていただきます。手術当日は、12時間前時から絶食していただき、午前9時までにご来院ください。
検査
全身の身体検査のほか、オスであれば精巣の状態、メスであれば陰部や乳腺の状態を確認いたします。また麻酔によるリスクを最小限に抑えよ、り安全に手術を行うため、血液検査やレントゲン検査など術前検査をさせていただきます。
手術
術前検査の結果に基づいて全身麻酔をかけ、手術を行います。
基本的にオスの場合は日帰りで、メスの場合は開腹手術のため1泊2日のお預かりとなります。
お会計・次回のご予約
お迎えの際に手術の内容、術後のケア方法についてご説明いたします。
約1週間後に体調のチェックと抜糸を行いますので、お会計時に次回のご予約をお取りください。
避妊手術のよくあるご質問
Q:避妊手術は何歳から受けるべきですか?
A:当院では、避妊手術は生後6ヶ月から6ヶ月半に行うことを推奨しています。初回の発情期が来る前に手術を行うと、特に乳腺腫瘍のリスクを減らすことができます。
Q:避妊手術にはどのようなリスクがありますか?
A:避妊手術は一般的に安全な手術です。しかし、犬や猫の避妊手術は全身麻酔下で実施するため、全身麻酔によるリスクがあります。そのため、手術前に血液検査を実施して、肝臓や腎臓の機能を調べてから手術を実施することで、リスクを最小限に抑えることができます。
Q:避妊手術をすると性格が変わりますか?
A:避妊手術が性格に大きな影響を与えることはありませんが、ホルモンの変化により活動性や攻撃性が軽減されることがあります。ただし、基本的な性格はそのままです。
Q:手術後のケアはどのように行うべきですか?
A:手術後は、傷口を清潔に保つことが最も重要です。当院では、傷口を舐めないようにエリザベスカラーを使用しております。また、安静を保ちつつ、化膿止め(抗生剤)や、痛み止め(消炎剤)を与えて頂きます。
避妊手術後の注意点
①手術後(抜糸までの)1週間は傷口を舐めないようにエリザベスカラーを着ける必要があります。
②手術後は、ホルモンバランスが崩れるため太りやすくなるので、食事管理で太らないように気をつける必要があります。
避妊手術の料金
猫 ¥26,400(税込) ~
犬 ¥33,000(税込) ~
費用には血液検査代・麻酔代・手術代・点滴代・入院費・内服代が含まれます。
犬では体重10kg以上の場合、5kg毎に5,500円(税込)加算となります。
妊娠時は犬猫ともに別途費用がかかります。