症例紹介

去勢手術で予防できる【精巣腫瘍】について|茨城県つくば市のうめぞの動物病院

今回は中年齢のワンちゃんで起きた精巣腫瘍について書きます。

今回のワンちゃんは鼠径部にしこりができているということで来院されました。

去勢手術を実施されておらず、片方の精巣が陰嚢内に降りていなかったとのことなので、鼠径部(股の部分)の潜在精巣が腫瘍化したことを疑って手術を行いました。


赤丸が鼠径部(股の部分)のしこりです。


手術によって、上の写真にある腫瘍が摘出されました。

病理検査の結果、「セルトリ細胞腫」という精巣腫瘍でした。

この「セルトリ細胞腫」は過剰のエストロゲン(女性ホルモン)を分泌するため、皮膚や被毛に影響を及ぼして、脱毛、皮膚炎を起こしたり、乳頭が腫大したりもします。

また、骨髄抑制を引き起こして、場合によっては亡くなってしまうこともあります。

陰嚢内に降りず、腹腔内や鼠径部(股の部分)に留まった精巣は(停留精巣・潜在精巣)、高温条件にあるため精巣腫瘍の発生率が高くなります。

当院では、陰嚢内に精巣が降りていない場合(停留精巣・潜在精巣)には早期に去勢手術をすることをお勧めしています。  

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