症例紹介

【皮膚科】犬のアトピー治療|つくば市のうめぞの動物病院

皮膚科・耳科

茨城県つくば市・土浦市・牛久市・つくばみらい市・阿見町の皆様、こんにちは。
茨城県つくば市にあるうめぞの動物病院です。
今回は、なかなか治らない繰り返す皮膚炎や外耳炎について、病気の症状や原因、治療法について解説していきます。
当院では、犬の皮膚炎や外耳炎の治療を行っておりますので、お悩みの場合は一度ご相談ください。

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【症例】

シーズー、10歳、避妊メス

【これまでの経過】

2歳頃から足の裏を舐めたり、耳をかゆがったりする症状がみられていたようです。
皮膚検査で、足の裏に細菌やマラセチア(真菌)が見つかったため、抗生剤や抗真菌薬を含む外用薬を用いる治療と、アトピーもあると言われて時々かゆみ止めを内服されていたようです。





【診断のポイント】

足の裏には、皮膚炎が起きていて、細菌やマラセチアというカビが増殖していました。
長年、抗生剤を含む外用薬を使用されていたので、その抗生剤が効かない細菌(耐性菌)が増殖している可能性もあるため、抗菌作用のある薬用シャンプーのみを用いて皮膚炎の治療を実施しました。
抗菌作用のある薬用シャンプーを用いると、皮膚炎が少し良化しました。
しかし、その薬用シャンプーをやめるとすぐに細菌やマラセチアが増殖しました。
皮膚炎を繰り返し起こしている時、その皮膚には、細菌や、マラセチアというカビが増殖して認められます。
今回のワンちゃんも足の裏の皮膚に細菌やマラセチアが認められました。
しかし、『繰り返す皮膚炎』の『根本的な原因』は細菌や、マラセチアではありません。
このような『繰り返す皮膚炎』の『根本的な原因』
①    アトピー
②    食物アレルギー
③    ホルモンバランスの崩れ(甲状腺機能低下症など)
④    脂漏症

などが挙げられます。
そのため、今回のように皮膚炎を繰り返し起こしている場合には、細菌や、マラセチアに対しての抗生剤や、抗真菌剤を用いた治療だけを行うのではなく、皮膚炎の『根本的な原因』を見つけて、その『根本的な原因』も治療する必要があります。

はじめは、季節の変り目に皮膚炎や外耳炎を繰り返していて、その時はアトピー性皮膚炎に対するかゆみ止めの内服や、外耳炎の外用薬を使用すると外耳炎は改善していました。
その当時の、季節の変わり目に発生していた皮膚炎や外耳炎は「アトピー性皮膚炎」「アトピー性外耳炎」が考えられました。今回は、今まで使用していたかゆみ止めの内服や、外耳炎が改善していた外用薬を用いても外耳炎が治らず、足の裏のかゆみや赤み、耳のかゆみや赤みが続いていました。
「アトピー」以外の『皮膚炎の根本的な原因』を調べました。
食物アレルギー用の血液検査を行って、「食物アレルギー」が併発していることがわかりました。

【治療】

足の裏の皮膚炎は、細菌やマラセチアがとても増殖していたため、最初は抗菌作用のある薬用シャンプーを使用しました。
(症状が落ち着いてからは、セラミドを含むアトピー用のシャンプーを用いました)
基礎疾患である「食物アレルギー」に対してはアレルギー食を使用しました。
また、もともとあった「アトピー」に対しては炎症を抑える効果のあるかゆみ止めの内服薬を用いて炎症を抑えてから、1カ月に1回アトピー性皮膚炎の治療薬であるサイトポイント(注射薬)や、週2回のステロイドの外用薬、セラミドを含む保湿剤を用いた保湿療法を実施しました。

2か月後には、足の皮膚炎の症状は改善しました。




今回のワンちゃんのように、はじめはアトピーが原因で、季節の変わり目に皮膚炎や外耳炎を起こしていて、その際に皮膚炎や外耳炎に対するかゆみ止めの内服や、外用薬(点耳薬)を用いて治療すると良化するワンちゃんは多いです。
年齢を重ねるうちに、季節の変わり目に、今までのようにかゆみ止めの内服や、外用薬(点耳薬)を用いて治療していても、一年中、皮膚炎や、外耳炎を繰り返す場合には、細菌やマラセチアが増殖するアトピー以外の『繰り返す皮膚炎』『繰り返す外耳炎』『根本的な原因』がないか調べる必要があります。
『繰り返す皮膚炎』や『繰り返す外耳炎』の『根本的な原因』が、アトピー、食物アレルギー、ホルモンバランスの崩れ(甲状腺機能低下症)や、(外耳炎では耳ダニ、腫瘍などの異物)の場合には、その原因を治療する必要があります。


同じように皮膚炎外耳炎で悩まれている飼い主様は、一度当院までお問合せください。


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