【皮膚科】犬の膿皮症治療|つくば市のうめぞの動物病院
茨城県つくば市・土浦市・牛久市・つくばみらい市・阿見町の皆様、こんにちは。
茨城県つくば市にあるうめぞの動物病院です。
今回は、なかなか治らない繰り返す膿皮症について、病気の症状や原因、治療法について解説していきます。
当院では、犬の膿皮症の治療を行っておりますので、お悩みの場合は一度ご相談ください。
【症例】
柴、9カ月、避妊済みメス
【これまでの経過】
今年の春(3月~4月)から主に首の周辺に発赤が認めらたようです。
かかりつけの動物病院では、膿皮症と診断されました。
膿皮症に対しては、抗生剤の内服が処方されたようです。
また、かゆみが強く、春になってからかゆみの症状が出たことから、「アトピー性皮膚炎」と診断して、ステロイドの内服も処方されていました。
しかし、膿皮症も改善されず、かゆみが強くなっているため、当院にセカンドオピニオンでご来院されました。
【診断のポイント】
当院で皮膚検査の結果、皮膚病変部に細菌が検出されました。
そのため、膿皮症(細菌性皮膚炎)と診断しました。
『繰り返す膿皮症』の『根本的な原因』は細菌だけではありません。
『繰り返す膿皮症』の『根本的な原因』は
① アトピー
② 食物アレルギー
③ ホルモンバランスの崩れ(甲状腺機能低下症など)
④ 抗生物質の長期使用による耐性菌
などが挙げられます。
そのため、今回のように膿皮症(細菌性皮膚炎)を繰り返し起こしている場合には、抗菌作用のある薬用シャンプーを用いた治療を実施しても完治しない場合には、
膿皮症(細菌性皮膚炎)の『根本的な原因』を見つけて、その『根本的な原因』も治療する必要があります。
このワンちゃんは、春になってからかゆみを伴う膿皮症が広がっているためか、『アトピー性皮膚炎』と診断してステロイドの内服も処方されていました。
当院でも、皮膚検査を再度実施した結果、首回りの発疹から細菌が検出されたため、膿皮症と診断しました。
春はワンちゃんの『アトピー性皮膚炎』の症状が出やすい時期ではあります。
このワンちゃんも春から膿皮症が始まっていますが、まだ7ヶ月であることや、首の後ろ側にも膿皮症が広がっていることなどから『アトピー性皮膚炎』による膿皮症ではないと判断しました。
【治療】
首回りの膿皮症に対しては、抗菌の薬用シャンプーを使用しました。
また、強いかゆみに対しては、1歳未満のワンちゃんにも使用できる痒みを和らげる注射を用いたり、エリザべスカラーを使用しました。
治療開始してから1カ月半後の写真がこちらです。
1カ月半後には、膿皮症も良化して、かゆみも軽減してきました。
また、膿皮症がかゆくて引っ掻いて被毛が薄かった首周辺も毛が生えてきました。
かかりつけの動物病院では、膿皮症に対して抗生剤の内服以外にも、アトピー性皮膚炎を疑っていたのか、ステロイドの内服を用いて治療を実施していました。
しかし、膿皮症の『根本的な原因』はアトピー性皮膚炎ではなかったため、ステロイドの内服では症状が改善せず、また、抗生剤の長期使用による耐性菌の出現のため使用していた抗生剤の内服が効かない状態になって、膿皮症が広がったいたことが考えられました。
『繰り返す膿皮症』の『根本的な原因』は
① アトピー
② 食物アレルギー
③ ホルモンバランスの崩れ(甲状腺機能低下症など)
④ 抗生物質の長期使用による耐性菌
そのため、膿皮症を繰り返している場合には、抗生剤の内服を漫然と繰り返すと、抗生剤が効かない耐性菌を作り出してしまうだけです。
そのため、『繰り返す膿皮症』の『根本的な原因』をしっかりつきとめる必要があります。
同じように膿皮症などの皮膚病で悩まれている飼い主様は、一度当院までお問合せください。