犬猫の誤飲・誤食をした時の症状や対処法、食べてはいけないものについて獣医師が解説|茨城県つくば市のうめぞの動物病院
茨城県つくば市・土浦市・牛久市・つくばみらい市・阿見町の皆様、こんにちは。
茨城県つくば市にあるうめぞの動物病院です。
今回は、犬や猫の誤飲・誤食をした時の症状や対処法、食べてはいけないものについて解説していきます。
当院では、犬や猫の誤飲・誤食の治療を行っておりますので、お悩みの場合は一度ご相談ください。
犬や猫が誤飲・誤食をした時の症状と対処法
糸やヒモ状のものを誤飲・誤食してしまった時
症状:
ある程度の長さのものを飲みこんでしまうと腸閉塞を起こし、嘔吐、食欲不振、腹痛などの症状が見られます。
時間の経過とともに腸に壊死が起きたり、腸に傷がつき穿孔(穴があくこと)して腹膜炎を起こしたりして、死亡してしまうこともあります。
また、糸が舌の根元に絡まって嚥下(飲み込み)に障害が出ることがあります。
対処法:
飲み込んだ物がどの程度の太さと長さのものなのかを確認していただき、すぐに動物病院にご連絡ください。
口や肛門から糸やヒモが出ていることがありますが、無理に引っ張ると消化管粘膜などを傷つけることになり危険です。絶対に引っ張らないでください。
病院での処置:
X線検査、造影検査、超音波検査などでヒモ状異物による腸閉塞の可能性が高いことが確認されたら、開腹手術を行い摘出します。
閉塞がなく、胃の中だけに存在する時には内視鏡で摘出可能なこともあります。
穿孔の状態や壊死が認められた場合には切除しなければならない場合もあります。
竹串、ピン、針などを誤飲・誤食してしまった時
症状:
どうぶつの体の大きさと異物の大きさによっては無症状で経過し、
便とともに排出されることもない訳ではありませんが異物が口腔内や消化管粘膜を傷つけたり、
穿孔したり、ほかの臓器を傷つけたりする危険性があります。
食欲不振、腹痛、嘔吐、発熱などの症状が見られます。
対処法:
どのようなものを飲みこんだ可能性があるかを確認します。
飲み込んだ可能性が高かったり、症状が見られたりしている場合にはすぐに受診してください。
その際、可能であれば同じもの、あるいは現物が写っている写真などを持参すると良いでしょう。
異物が尖ったものの場合、胃や食道の粘膜を傷つけたり穿孔させたりする可能性が高いので、決して吐かせてはいけません。
飲み込んだものがごく小さいもので、特に症状が見られない場合には、便の中に排泄される可能性もありますが、動物病院に連絡して指示を仰いで下さい。
病院での処置:
X線検査、造影検査、超音波検査などで異物を確認します。
異物の大きさが小さく、腸閉塞を起こすリスクが少なく、かつ便中への排泄が期待できる場合には、高繊維食などを摂らせて経過観察を行います。
胃や食道の粘膜を傷つけたり穿孔させたりする危険性が高い場合には、麻酔下で内視鏡による摘出、あるいは開腹手術による摘出を行います。
人の医薬品を誤飲・誤食してしまった時
症状:
薬の種類によっては、大量摂取でなければ問題がないものもありますが、
薬の種類や摂取量によって中毒症状を起こすものもあります。症状は薬の種類によって様々です。
対処法:
どのような薬(薬剤名、剤型、含有量など)をどのくらい飲んでしまった可能性があるかを確認します。
動物病院に連絡をして、すぐ受診するかなど、対処法について指示を受けて下さい。
病院での処置:
誤飲した薬の種類や症状によって異なりますが、
直後であれば催吐処置を行ったり、解毒剤や活性炭の投与、輸液などの対症療法を行ったりします。
犬や猫に食べさせてはいけない中毒症状を起こす食材
・チョコレート
・タマネギ(ネギ類:ニンニク、ニラ等)
・キリシトール
・ぶどう、レーズン(犬)
・ユリ(猫)
犬や猫が気をつけないといけない食べ物以外のもの
・焼き鳥の竹串
・梅干しの種
・シュシュや髪留め
・靴下
・タオル
・ウレタンマット
犬猫の誤飲誤食の症例報告
犬種
トイプードル
年齢
2歳
初診時の症状
朝からお祈りのポーズをするようになりました。
また、1回嘔吐をしました。
治療法
レントゲン検査で、お腹の中に異物を見つけたため、開腹手術を実施しました。
腸閉塞を起こしている異物を摘出しました。