症例紹介

心臓病・吐くような咳・犬

循環器科

今回は、シニアのワンちゃんに良く起きる「心臓病」について書きます。

ワンちゃんは高齢になると「僧房弁閉鎖不全症」という「心臓病(弁膜症)」になることがあります。全ての犬種にみられますが、特にチワワ、トイプードル、ポメラニアン、シー・ズー、マルチーズ、キャバリアなどの小型犬でよく見られます。10歳以上のワンちゃんでなりやすい病気の第1位に挙げられます。

初期は無症状ですが、進行すると

・「吐くような」咳をする

・疲れやすい

・運動した時に呼吸が苦しそうなどの症状がみられ、

・重度になると、興奮時に失神することもあります。  

下の写真が正常な心臓のレントゲン写真です。


心臓病が進行すると、心臓が大きくなってしまい、赤い矢印のように気管を下から押し上げます。

気管が圧迫されるため、「吐くような」咳をするようになります。


このような心臓病は、聴診で発見でき、確定診断するためにレントゲン検査や、超音波検査を行います。

心臓病が進行して病状が重度になると、肺に水がたまって呼吸困難になってしまいます(肺水腫)。

早期に発見して内科的に治療することで、肺水腫に進行することを遅らせることが可能です。

10歳を超えたら定期的に病院を受診して、聴診してもらうことをおすすめします。