歯周病・犬・猫

今回は高齢になってからくしゃみと膿性鼻汁が出るという症状で来院されたダックスのワンちゃんについてご紹介させていただきます。

10歳を過ぎてから突然くしゃみと膿性鼻汁の症状が現れたため、他院にて抗生剤や消炎剤などの薬を長期間投与して治療していましたが、症状の改善が見られないため当院に来院されました。
ワンちゃんは、人で言うカゼのような症状の時にもくしゃみと膿性鼻汁を出す症状を示しますが、今回は抗生剤を長期に服用しても改善が認められなかったことや、(特に犬歯で)歯石の付着や歯肉の後退がかなり進行していたために歯周病が原因であることを疑って犬歯の抜歯と歯石除去を行いました。

抜歯前

犬歯を抜歯した後には大きな穴が残りました。

抜歯後

このままにしておくと穴が閉じずに口から鼻へのトンネルができてしまうので、口の粘膜で弁(フラップ)を作成して縫合しました。

抜歯後

犬や猫は人と違って虫歯はできにくいですが、歯石が付着したままにしておくと歯周病のトラブルが進行する場合があります。

この症例では歯周病が進行し、上の犬歯の歯根が感染を起こしたために(歯根膿瘍)、感染が鼻腔内に波及し、くしゃみや膿性鼻汁が出続けるといった症状に発展してしまったと考えられます。

ワンちゃんやネコちゃんは、ヒトとは異なり、歯石除去の際は全身麻酔が必要となるので、日頃から歯みがきを実施してあげることが大切です。

また、歯石が付着してきた場合には、歯周病が進行してひどくならないうちに歯石除去を行っていくことをお薦めします。

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