当院では出産する予定がない女の子には避妊手術をおすすめしています。
避妊手術は、子供を産まないようにするために卵巣もしくは子宮の両方を摘出する手術です。
写真は、避妊手術を行った猫ちゃんです。6ヶ月ぐらいで手術を行う場合には、犬・猫ともに傷口も小さくできるため犬や猫の手術後の痛みも少なくて済みます。
猫ちゃんの避妊手術後の写真です
ワンちゃんの避妊手術後の写真です
避妊手術の目的は、子供を産まないようにするため以外に病気の予防が挙げられます。手術によって予防できる代表的な病気が、乳腺腫瘍と子宮蓄膿症です。
犬の場合、初めての発情の前に手術を行うことで、乳腺腫瘍を99.5%予防することができます。
猫の場合、6ヶ月齢までに手術を行うことで、乳腺腫瘍を91%予防することができます。
犬も猫も年齢を経るごとに避妊手術による乳腺腫瘍の予防効果が低下してしまうので、乳腺腫瘍の予防のために手術を行う場合は、生後6ヶ月齢頃までに手術を行うのが良いです。
また、2歳未満で避妊手術(卵巣摘出術)を行った犬では、子宮の腫瘍で最も多い平滑筋種(子宮腫瘍の90%)や膣の腫瘍(多くが平滑筋腫などの良性腫瘍)の発生が見られません。
また、子宮や膣の平滑筋腫では性ホルモンの受容体が多く認められることから、腫瘍の発生に卵巣から出る性ホルモンが関与していると考えられています。
早期に避妊手術を行うことで、上記の乳腺腫瘍・子宮蓄膿症や、子宮・膣の良性腫瘍を予防できるので、まだ手術をされていなくて、今後出産の予定がない場合には手術をして病気を未然に防いであげましょう。