つくば市梅園のうめぞの動物病院は、犬・猫を中心に診療。土浦市・荒川沖・牛久市・阿見町からもアクセス可能。夜間救急対応あり。

皮膚病

皮膚病の原因としては、

  1. ①細菌・真菌(カビ)・寄生虫などの感染症
  2. ②アトピー・食物アレルギーなどのアレルギー
  3. ③ホルモンバランスによるトラブル
  4. ④腫瘍などのその他の原因に分けられます。

 

皮膚病の一般的な症状としては、『皮膚の赤み・かゆみ・脱毛』などが挙げられますが、皮膚病の原因が異なってもその症状は共通しているため、症状から原因を特定することはできません。
そのため、原因を特定するには皮膚検査をはじめとする検査を行って調べる必要があります。また、原因が一つだけでなく、複数の原因によって皮膚の状態が悪化していることも多いので注意が必要となります。

 

当院では、『皮膚の赤み・かゆみ・脱毛』がある皮膚病には下記のような順番で検査・治療を実施しております。

  1. ①皮膚検査を実施して、細菌・真菌(カビ)・寄生虫の感染症がある場合には、その感染症の治療を実施。
  2. ②細菌・真菌(カビ)・寄生虫の感染症をコントロールしても、かゆみや赤みが残る場合には、アレルギーを疑います。

 

皮膚の痒みの症状からアレルギーが疑われる場合には、

  1. ①食物アレルギー
  2. ②アトピー
  3. ③食物アレルギーとアトピーが混在している

3パターンに分けられます。

 

そこで、まずは食物アレルギーが関与しているかを調べます。
食物アレルギーが関与している場合には、

  1. 季節に関係なく1年中かゆがっている
  2. ②1歳未満からかゆがる
  3. ③目や口の周り、耳、足の裏、背中、お尻などを痒がっている
  4. ④便の量が多い

などの特徴が、当てはまることがあります。
特に、季節に関係なく1年中かゆがっている場合には、食物アレルギーが関与している可能性があります。

 

食物アレルギーかどうかを調べるには、大きく分けて

  1. アレルゲン(食物アレルギーの原因)除去食のみを与えて症状が改善するかを調べる。
  2. ②食物アレルギー専用の血液検査である『リンパ球反応検査』を行う。

 

アレルゲン除去食には、病院で処方できる療法食を用いることが一般的ですが、食物アレルギーの原因となるアレルゲンには、牛・豚・鶏・魚などの動物性タンパク質だけではなく、小麦・トウモロコシ・大豆・米などの植物性タンパク質も大きく関係してきます。
フードには、動物性タンパク質以外に植物性タンパク質も含まれています。また、動物性油脂や、植物性油脂も使用されていますが、その油脂がアレルゲンであることもあります。
そのため、療法食を含めて販売されているフードにはアレルゲンとなりうるタンパク質を全く含まない完全なアレルゲン除去食は存在しません
そのため当院では、食物アレルギーが関与している可能性がある場合には、アレルゲンが調べられる『リンパ球反応検査』をおすすめしています。

 

食物アレルギーが除外された場合には、次にアトピー性皮膚炎を疑っていきます。
アトピー性皮膚炎の症状の特徴としては、季節によってかゆみが強くなる(症状に季節性がある)ことが挙げられます。
アトピー性皮膚炎の治療としては、痒み止めを用いたり、シャンプーを用いて症状を和らげる対症療法を行うことが多いです。しかし、痒み止めやシャンプー療法は根治療法ではないのでアトピー性皮膚炎の症状を完治させることはできません。(薬をやめると痒みがぶり返してしまいます。)

 

一方、アトピー性皮膚炎の唯一の根治療法は、減感作療法です。
今までにもワンちゃんで、減感作療法は一部の動物病院で行われていましたが、今までの治療方法では、注射の回数が多く、治療期間も長くかかっていました。
当院では、注射回数や治療期間も短くなり、安全性が高くなった新しい減感作療法薬(アレルミューンHDM)を用いて減感作療法を行っています。

 

日本における犬アトピー性皮膚炎のワンちゃんの最も多いアレルゲンはハウスダストマイトで、その主要なアレルゲンの1つであるDer f2というタンパク質を減感作させることを目的とする治療薬がアレルミューンHDMです。
そのため血液検査(IgE抗体検査)を行って、ハウスダストマイトのタンパク質の1つであるDer f2に対してIgEが高値を示した(感作している)ワンちゃんは、新しい減感作療法を実施できます。現在、70%のワンちゃんで効果が出ていると言われています。

 

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